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リビング学習は机の場所が9割。子供が自ら勉強したくなる「親の気配」の絶妙な距離感
新築やリノベーションの際、「リビングに勉強スペースを作りたい」と希望されるお客様が非常に増えています。しかし、実際に住み始めてから「子供が全然座ってくれない」「ダイニングテーブルが消しゴムのカスだらけでイライラする」というお悩みを耳にすることも少なくありません。
実は、リビング学習の成否を分けるのは、高価な学習机でもおしゃれな照明でもなく、「配置」です。子供が安心して集中できる環境には、親との「絶妙な距離感」と「視線のコントロール」が欠かせません。インテリアと間取りのプロとしての視点から、子供が自然と机に向かいたくなるレイアウトの法則をお伝えします。
「ダイニングテーブルで勉強」が続かない理由
リビング学習=ダイニングテーブル、と考えていませんか? 確かに低学年のうちはそれでも良いのですが、習慣化という点ではいくつかデメリットがあります。
最大の難点は「切り替え」が難しいこと。夕食の時間になれば、勉強が途中でも教材を片付けなければなりません。「あと少しで解けそうなのに」という集中力の芽を、親の都合で摘んでしまうことになります。また、食事の準備をする親の慌ただしい動きや、テレビの誘惑がダイレクトに視界に入るため、気が散りやすい環境でもあります。
理想的なのは、LDKの中にありながらも、食事の場とは明確にゾーニングされた「専用のスタディコーナー」を設けることです。広さは幅100cm、奥行き50cmもあれば十分。重要なのはその「場所」です。
集中力を生むのは「斜め後ろ」からの視線
子供は「親に見守られている安心感」がないと不安になりますが、「常に見張られている監視感」があると集中できません。この矛盾する心理を満たすのが、「親の気配は感じるけれど、視線は合わない」という配置です。
具体的に最もおすすめなのは、「キッチンに立つ親から、子供の斜め後ろ姿が見える」位置関係です。
親からは子供が勉強しているかどうかがなんとなく分かりますが、勉強している子供の視界には親の姿が入らず、目の前のノートに集中できます。困ったときに振り返ればすぐに親がいる、という距離感が安心感を生みます。 逆に、対面キッチンのカウンターで、親と向き合う形で勉強する配置は要注意です。顔を上げるたびに親と目が合い、「早くやりなさい」という無言の圧力を感じ取ってしまいがちだからです。
壁に向かうか、空間に向かうか
机の向きも重要です。一般的に集中しやすいのは、目の前が壁になっている「壁付け」の配置です。視界に入る情報量を制限できるため、気が散りやすいお子様には特に有効です。この場合、壁にマグネットボードや有孔ボードを設置し、時間割やプリントを貼れるようにすると、自分だけの「基地感」が出てモチベーションが上がります。
一方、リビング全体を見渡せる配置にする場合は、手元が暗くならないよう照明計画に注意が必要です。また、テレビが背中側に来るようにレイアウトすることで、誘惑を断ち切る工夫も必要になります。
所沢エリアの戸建て住宅では、階段下のスペースや、リビングの一角にある収納スペースをスタディコーナーに変更するリノベーション事例も人気です。デッドスペースになりがちな場所こそ、実は「お籠もり感」があって集中できる学習スペースに化ける可能性を秘めています。
「造り付け」にするか「置き家具」にするか
家づくりの際、大工工事でカウンターデスクを造り付けてしまう(造作)か、市販の学習机を置くかも悩ましいポイントです。
インテリアとしての統一感を重視するなら造作が美しいですが、私はあえて「将来撤去できる作り」、あるいは「大人が使える仕様」にしておくことをおすすめします。
子供がリビングで学習するのは、長くても中学生くらいまでというケースが多いです。高校生になり個室で勉強するようになった後、リビングに残された子供サイズの低いカウンターは、使い道のない物置になってしまいます。 造り付けるのであれば、大人がパソコン作業やアイロンがけに使える高さ・奥行きにしておくか、あるいは成長に合わせて移動できる既製品のデスクを選ぶ方が、長い目で見ればフレキシブルです。
収納動線が「片付けられない」を防ぐ
最後に、机と同じくらい重要なのが「収納」の場所です。 机のすぐ横、または後ろに、ランドセルや教科書を置ける棚を必ずセットで計画してください。
「ただいま」と帰ってきて、リビングの床にランドセルを放り投げ、そのまま遊び始める……このパターンを防ぐには、動線上に収納が必要です。 所沢のファミリー向け物件でも最近増えている「リビングクローク」や「ファミリーロッカー」が近くにあればベストですが、なければカラーボックス一つでも構いません。「座る・出す・しまう」がワンアクションで完結する環境を作ることが、自発的な学習習慣への第一歩です。
リビング学習の成功は、子供の性格と間取りのマッチングにかかっています。「うちはどう配置すればいい?」と迷ったら、ぜひ図面を持ってご相談ください。家具の配置一つで、お子様の学習態度は驚くほど変わるかもしれません。