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年末の帰省で親に「家を買う」と切り出すコツ。反対されない伝え方

年末の帰省で親に「家を買う」と切り出すコツ。反対されない伝え方

師走も半ばを過ぎ、所沢駅周辺も帰省のお土産を買い求める人々で賑わい始めました。 久しぶりに実家に帰り、両親や孫の顔を見せながら、こたつでみかんを食べる。そんな穏やかなお正月の団欒の中で、今年こそは「ある重大な報告」をしようと心に決めているご夫婦も多いのではないでしょうか。

「実は、そろそろ家を買おうと思っているんだ」

この一言を切り出すのに、なぜこれほど勇気がいるのでしょうか。 それは、親御さんからの「反対」や「心配」という名の横槍が入ることを、どこかで予感しているからかもしれません。 特に、結婚や孫の誕生といったおめでたい話題とは異なり、住宅購入という「数千万円の借金」を伴う話は、親世代の価値観とぶつかりやすいテーマでもあります。

「今の年自分で大丈夫なのか?」 「所沢なんて不便な場所じゃないのか?」 「変動金利なんて危ない橋を渡るな」

せっかくの帰省が、親子の口論で終わってしまっては悲しいですよね。 今回は、ファイナンシャルプランナーとしての経験をもとに、親御さんを「反対勢力」ではなく「最強の応援団」に変えるための、賢い切り出し方と準備についてお話しします。

なぜ親は「家を買う」と言うと不機嫌になるのか

まず、敵(といっては失礼ですが)を知ることから始めましょう。親御さんが反対する理由は、決してあなたの邪魔をしたいからではありません。その根底にあるのは、100%「子供への愛と心配」です。

しかし、ここで理解しておかなければならないのは、親世代(60代〜70代)と私たち子育て世代(30代)とでは、生きてきた経済環境がまるで違うという事実です。

親御さんが家を建てた時代は、住宅ローンの金利が5%〜6%もあるのが当たり前でした。「借金=利息で損をする=早く返すべき悪」という感覚が骨の髄まで染み付いています。 一方、現在は変動金利なら0.4%〜0.5%程度。住宅ローン控除を使えば、実質的な負担はさらに軽くなります。

この「常識のギャップ」を埋めないまま、「6,000万円のローンを組む予定だ」などと言えば、親御さんが腰を抜かしてしまうのは当然です。彼らの感覚での6,000万円の返済負担は、私たちの感覚の倍近くに感じられている可能性があるからです。 まずは、「反対されるのは、彼らの時代の常識で考えているからだ」と冷静に受け止める心構えを持ちましょう。

「報告」ではなく「事業計画のプレゼン」だと思え

失敗するパターンの多くは、準備不足のまま感情で話してしまうケースです。 「家賃がもったいないから」「なんとなく広さが欲しいから」といった動機だけを伝えても、親御さんの不安は払拭できません。 実家に帰る前に準備すべきなのは、物件のチラシではありません。「ライフプランのシミュレーションシート」です。

親御さんが一番知りたいのは、「家が素敵かどうか」ではなく、「息子(娘)家族が路頭に迷わないかどうか」の一点に尽きます。

  • 現在の世帯年収と、将来の収支予測

  • 子供の教育費をどう確保しているか

  • 金利が上昇した際のリスク対策(繰り上げ返済の準備など)

  • 万が一の時(病気や死亡)の団信による保障

これらを数字で示した「資金計画書」を一枚用意してみてください。手書きでも構いません。 「私たちはここまで考えている。勢いだけで買うわけではない」という姿勢を見せること。これだけで、親御さんの態度は「心配」から「信頼」へと大きく変わります。 まるで銀行に融資のプレゼンに行くような気持ちで、しかし言葉は柔らかく。これが鉄則です。

切り出すタイミングは「夕食後」がベスト

次に重要なのがタイミングです。 帰省してすぐ、玄関先で立ち話のついでに言うのはNG。また、お酒が入りすぎて泥酔している時も避けましょう。話が軽く扱われたり、翌日忘れられたりしてしまいます。

おすすめは、夕食が終わり、孫たちがテレビを見たりゲームをしたりして少し落ち着いた時間帯です。 お茶やお酒を飲みながら、リラックスした雰囲気の中で、「実は、真剣に相談したいことがあるんだけど……」と切り出します。 ここで「相談」という言葉を使うのがポイントです。 心の中ではすでに購入を決めていたとしても、形の上では「人生の先輩であるお父さん、お母さんの意見を聞きたい」というスタンスを取ることで、親御さんの自尊心を満たすことができます。

いきなり「契約してきた」と事後報告するのは、最も角が立つやり方です。「自分たちは蚊帳の外に置かれた」という寂しさが、怒りに変わってしまうからです。 あくまで「検討段階で相談してくれた」という事実を作ることが、その後の関係を円滑にします。

「所沢」という立地をどう納得させるか

もしご実家が都内や遠方の場合、「なんでまた所沢(埼玉)なの?」と難色を示されることもあるかもしれません。 都心信仰が強い世代にとって、埼玉=都落ち、という古いイメージを持っている方もいまだにいらっしゃいます。

ここでは、感情論ではなく「合理的な選択」であることをアピールしましょう。

「都内で狭いマンションを買うよりも、所沢なら同じ予算で広い庭付きの家が買える」 「始発駅だから座って通勤できるし、池袋や新宿へのアクセスも30分程度だよ」 「近くに大きな公園(航空公園など)があって、孫を育てる環境として最高なんだ」

特に「孫の環境」というキーワードは強力です。 「孫がのびのび遊べる」「空気がきれい」「治安が良い」といったメリットは、親御さんにとっても嬉しい要素。 所沢市が最近力を入れている再開発の話や、商業施設(エミテラスなど)の充実ぶりを、スマホの写真を見せながら話すのも効果的です。 「あそこなら遊びに行き甲斐があるな」と思わせたら勝ちです。

資金援助(贈与)の話は慎重に

さて、一番デリケートなのが「資金援助」の話です。 「頭金を少し出してほしい」とは、自分からは口が裂けても言わない方が無難です。お金を当てにしている魂胆が見えた瞬間、応援モードが冷めてしまうことがあります。

あくまで「自分たちの力で返済できる計画」を見せることが大前提。 その上で、もし親御さんの方から「何か手伝えることはないか」という言葉が出たり、資金の話になったりした時に初めて、制度の話をチラッと出しましょう。

「実は来年も、住宅資金の贈与なら1,000万円まで税金がかからない特例があるみたいなんだよね」 「相続税対策としても有効らしいよ」

このように、あくまで「制度としてのメリット」を世間話のように伝えるに留めます。 2026年も継続される「住宅取得等資金の贈与税の非課税措置」は、親御さんの資産を無税で次世代に移せる数少ないチャンスでもあります。 親御さんに資産があり、相続税を気にしているようなら、この話は渡りに船かもしれません。 しかし、老後資金に不安がある親御さんの場合、無理な援助は将来の介護負担などになって自分たちに跳ね返ってきます。 「親の援助はあったらラッキー」程度に考え、基本は自力で組める予算内で計画しましょう。

「反対」された時の魔法の切り返し

準備万端で臨んでも、やっぱり反対されることはあります。 「今は時期が悪い」「もっと頭金を貯めてからにしろ」 そんな時は、決して反論してはいけません。 「そうだよね、お父さんの言うことももっともだね」と一度受け止めてください。

その上で、 「でもね、今賃貸で払い続けている家賃(更新料含む)と、ローンの利息を計算してみたんだけど……」 「子供が小学校に上がる前に定住先を決めないと、転校させるのがかわいそうで……」 と、自分たちの切実な事情を静かに伝えます。

特に「家賃のムダ」と「子供の転校問題」は、親御さんも理解しやすいポイントです。 論破するのではなく、「私たちの悩みを共有してもらう」という姿勢で対話を続けることが大切です。

最後に:次のアクションを約束する

話がまとまりかけたら、最後に「次のステップ」を共有しておきましょう。 「今度、良さそうな物件があったら資料を送るね」 「春になったら、一度所沢に遊びに来てよ。街を案内するから」

親御さんを家づくりのプロセスに巻き込むことで、彼らは「部外者」から「当事者」になり、一緒に良い家を探そうとしてくれる心強い味方になります。

今年の年末年始は、単なる帰省ではなく、家族の未来を拓くための大切な一歩を踏み出す時間にしてください。 しっかりと準備をして、笑顔で「家を買う」という夢を共有できることを願っています。

 

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