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坪単価の罠:建物コストを“仕様×外皮×設備”で分解する

坪単価の罠:建物コストを“仕様×外皮×設備”で分解する

住宅会社を比較するとき、まず目に入るのが「坪単価◯万円」という数字。
けれど、その数値だけを鵜呑みにすると、実際の建築コストを見誤ります。
同じ30坪でも、構造・仕様・外皮・設備の組み合わせで総額は数百万円変わることもあります。
「なぜこの価格なのか」を分解して見る視点が大切です。

坪単価は“延床面積割り”にすぎない

坪単価は、建物本体価格 ÷ 延床面積 で算出されます。

しかし、本体価格に何が含まれているかは会社によってバラバラ。

仮設工事・外構・照明・カーテンなどを含める会社もあれば、純粋な構造体だけで計算する会社もあります。

つまり、坪単価を比較するには**「何を含む坪単価なのか」**を揃えて見ないと意味がありません。

「仕様」で見る:材料と仕上げのグレード差

床材・サッシ・断熱材・屋根材といった“仕様”部分は、

見た目以上にコスト差が出る部分です。

例えば無垢フローリングと合板フローリングでは、1坪あたり3〜5万円の差。

サッシをアルミから樹脂に変えるだけで、全体で30〜50万円の変動になります。

見積書の「標準仕様」を確認し、どのグレードが“坪単価の前提”なのかを押さえましょう。

「外皮」で見る:断熱性能と構造の考え方

「外皮」とは、家の中と外を分けている部分のことです。
たとえば、

  • 外壁(がいへき)

  • 屋根(やね)

  • 窓(まど)

  • 床(ゆか)

などが外皮にあたります。

家を人の体にたとえると、「皮ふ」や「服」のようなものです。
外の暑さや寒さから中を守る役割があり、断熱性能(どれくらい熱を通しにくいか)に大きく関わります。

外皮の面積が大きいほど、外気の影響を受けやすく、断熱に必要な材料や工事費も増えます。

凹凸が多いプランや2階リビングなどは、外壁や屋根面積が増えてコストアップ要因に。

目安として、UA値(外皮平均熱貫流率)を0.46以下にする場合は、サッシや断熱材のグレードアップ分として、坪あたり3〜5万円ほどの追加費用を見ておくと現実的です。

「設備」で見る:見積の“山場”は水回り

キッチン・浴室・トイレ・洗面の設備費は、家の中でも最も金額差が出る部分です。

標準仕様のままなら坪単価60万円台でも建ちますが、タカラ・トクラス・TOTOなど中上級モデルを選べば、坪単価70〜80万円台に一気に跳ね上がることも珍しくありません。設備は“見積の別腹”と考え、坪単価とは切り離して検討しましょう。

「共通費」と「設計料」も忘れずに

地盤改良・外構・照明・カーテン・設計監理費などは、

“坪単価に含まれないけど絶対にかかる”コストです。

特に所沢エリアのように傾斜や造成跡地が多い地域では、地盤改良費だけで50〜150万円の幅があります。

本体価格とは別に、トータルコスト(付帯工事+諸経費)を含めた坪単価を意識するのが現実的です。

坪単価ではなく、“納得単価”で判断する

家づくりの本質は「いくらで建つか」ではなく、「どんな暮らしをつくるか」。

見積書の数字を比較する前に、その金額がどんな構造・断熱・設備の結果なのかを理解すること。

坪単価という単純な尺度の裏には、“設計思想”や“暮らしの質”という見えないコストが隠れています。

数字を疑い、内容を読み解ける人ほど、後悔のない家を建てています。

 

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