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ローン事前審査で落ちないための書類術:年収以外の“整え方”
住宅ローンの事前審査で落ちた——。
そう聞くと「収入が足りなかったのでは」と思われがちですが、
実は多くのケースで問題になるのは“数字”ではなく“書類の整い方”です。
銀行が見るのは「返せるか」よりも、「信頼できるか」。
その信頼は、年収以外の細部から判断されます。
審査は“人”より“データ”が見る時代
いまの住宅ローン審査は、AIによるスコアリングが主流になっています。
銀行員が手作業で判断するより前に、入力データで自動評価がされる仕組みです。
つまり、「データとして整っているか」が通過率を左右します。
年収が十分でも、提出書類に不整合や欠落があれば、
スコアは一気に下がる。
逆に、数字がギリギリでも情報が正確で整っていれば、通ることもあります。
書類は“3つの一致”で整える
審査で最も重要なのは、書類間の整合性です。
銀行がチェックするのは、「この人は嘘をついていないか」ではなく、
「この人の情報は信頼できるか」。
その基準が以下の3点です。
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氏名・住所・勤務先がすべて一致しているか
→ 免許証と源泉徴収票で表記が違うケースは要注意。
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年収の根拠が明確か
→ 源泉徴収票と給与明細の額面がずれていないか。
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借入残高・返済履歴の記録が正しいか
→ クレジット・自動車ローン・奨学金など、個人のクレジット(信用)情報と矛盾がないか。
この3つが揃っているだけで、“信用スコアの見え方”は大きく変わります。
転職・副業・産休明けは“補足書類”が鍵
収入に変化がある場合、年収額そのものよりも「説明できるか」が大事です。
転職1年以内なら、雇用契約書や給与明細3か月分を添付。
産休・育休明けなら、復職予定証明書や会社の書面を準備。
副業収入は確定申告書のコピーを提出すれば評価対象になります。
数字よりも「裏付け」があるかどうかで、審査の印象はまったく違います。
借入やカードは“直前整理”で見栄えを変える
意外と多いのが、少額のリボ払いや未使用カードが審査を圧迫しているケース。
クレジット枠も「潜在的な借入」として評価されるため、
使っていないカードは解約、リボは完済しておくのが鉄則です。
また、スマホ分割払いもローン扱いになるため、
残債があれば完済しておくとスコアが整いやすい。
数字を増やすより、“借入情報を減らす”方が早い対策になります。
通帳と源泉徴収票は“見られる前提”で整える
審査段階で提出を求められたら、通帳コピーや給与振込履歴の見栄えにも気を配りましょう。
・家賃や公共料金が定期的に引き落とされている
・急な多額の入出金がない
・マイナス残高が続かない
こうした日常の“金融リズム”が、そのまま信頼指標になります。
金融機関は、数字より「生活の安定感」を見ています。
年収は変えられなくても、“印象”は整えられる
住宅ローンの審査は、単なる経済力テストではありません。
数字の裏にある「整っている生活」こそが信用。
源泉徴収票・通帳・免許証・カード情報——
これらを丁寧にそろえるだけで、あなたの印象は大きく変わります。
事前審査に強い人は、特別な収入がある人ではなく、
書類を“静かに整える習慣”を持っている人です。