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中古戸建て+リノベで予算5000万に収める。所沢で「新築にこだわらない」選択肢
「所沢で駅近、広々リビング、でも予算は5,000万円以内」。新築で探すと、この条件は非常に厳しい壁にぶつかります。資材高騰が続く今、全てを叶えるには6,000万円以上が必要になることも珍しくありません。しかし、「新築」というこだわりを少し緩めるだけで、その願いは現実になります。鍵となるのは「築浅中古×リノベ」。資産価値の目減りが少ない中古物件を賢く選び、浮いた予算で内装を劇的に変える。投資的な視点も交え、所沢で理想の暮らしを予算内で実現する「攻め」の戦略をお伝えします。
「新築プレミアム」にお金を払い続けますか?
まず、少しシビアなお金の話から始めましょう。日本の住宅市場には「新築プレミアム」と呼ばれる独特の価格上乗せが存在します。これは、まだ誰も住んでいないという「新品の価値」に対し、開発業者の広告宣伝費や利益がたっぷりと乗っている状態のことです。
極端な話をすれば、玄関の鍵を開けて一日でも住んでしまえば、その瞬間に建物の資産価値は1〜2割下がると言われています。つまり、新築を購入するということは、住み始めた瞬間に数百万単位の含み損を抱えることと同義になってしまう側面があるのです。特に、将来的な住み替えや売却の可能性(出口戦略)を少しでも頭の片隅に置いている方にとっては、この初期の目減りは無視できないリスク要因になります 。
一方で、築10年から20年程度の中古物件はどうでしょうか。新築直後の急激な価値下落が落ち着き、価格の推移が緩やかな安定期に入っています。つまり、購入価格と実質的な価値のギャップが少なく、資産価値が目減りしにくい状態にあると言えます。
所沢市内を見渡しても、駅へのアクセスが良く、歩道が整備され、雰囲気の良い住宅街というのは、すでに開発され尽くしていることがほとんどです。そういった人気エリアで、奇跡的に更地が出るのを待つのは時間もコストもかかります。しかし、中古物件という「ストック」に目を向ければ、新築では到底手が出ないような好立地の物件が、土地値に近い価格で手に入るチャンスが転がっています。
「建物」という資産をゼロにするのではなく、使える部分は賢く使い、浮いた予算を自分好みの内装や設備に投資する。これが、予算内で立地も質も諦めないための、最も合理的で「攻め」のマイホーム購入術だと私は考えています 。
狙い目は「2000年6月」以降の物件
「中古がお得なのは分かるけれど、やっぱり地震が怖い。古い家は耐震性が心配」
そう思われるのは当然のことです。私も自分の家を選ぶなら、そこが一番の懸念点になります。だからこそ、中古物件を選ぶ際には、絶対に外してはいけない明確な「線引き」を持っておく必要があります。
それが、2000年(平成12年)6月です。
ご存知の方も多い「1981年の新耐震基準」ですが、実は木造住宅に関しては、2000年6月の建築基準法改正がより重要なターニングポイントになっています。阪神・淡路大震災の教訓を生かし、この改正で耐震性に関する規定が大幅に強化されました。
具体的には、地盤調査が事実上義務化され、柱や梁を固定する接合金物の種類や取り付け方、耐力壁の配置バランスなどが厳格に定められました。不動産業界ではこれを「2000年基準」と呼びます。
それ以前の建物がすべて危険というわけではありませんが、構造的な安心感を担保しようとすると、壁を剥がして金物を入れるなどの大規模な耐震補強工事が必要になり、数百万円単位の追加費用がかかるケースが多いのが実情です。
逆に言えば、2000年6月以降に確認申請が出された物件であれば、現行の耐震基準に近い性能を持っている可能性が高いのです。私が「築浅中古」をおすすめする際、単に見た目の新しさだけでなく、この法改正以降に建てられたかどうかも非常に重視しています。ここさえクリアしていれば、基礎や構造といった「家の骨格」にかける費用を抑え、その分をキッチンやお風呂のグレードアップに回すことができるからです。
築年数で言えば、およそ築23〜25年以内(2025年現在)がひとつの目安。この数字を頭に入れておくだけで、物件探しの安全性とコストパフォーマンスは格段に向上します。
5,000万円で実現する、我慢しない家づくり
では、実際に数字でシミュレーションしてみましょう。所沢の人気エリアで、土地と建物を合わせた総予算を5,000万円前後に抑えたいと考えた場合です。
もし新築注文住宅で進めるとしたら、どうなるでしょうか。 例えば、条件の良い土地が3,000万円で見つかったとします。そこに諸費用や地盤改良費、外構費用などを加味していくと、建物本体にかけられる予算は1,500万円程度になってしまいます。昨今の建築費高騰を考えると、これでは希望の広さを確保できなかったり、設備のグレードをかなり落とさなければならなかったりと、せっかくの注文住宅なのに「我慢の連続」になりかねません 。
一方、築15年の中古戸建てを3,500万円で購入し、リノベーションする場合を考えてみましょう。 諸費用を見込んでも、手元には1,000万円以上のリノベーション予算が残ります。
1,000万円あれば、何ができると思いますか? 壁紙の張り替え程度ではありません。水回り(キッチン、浴室、洗面、トイレ)をすべて最新のハイグレードモデルに入れ替え、床を無垢材のフローリングにし、リビングの壁を一部撤去して開放的なLDKに変更することも可能です。さらに、窓を断熱性能の高いペアガラスや内窓に交換し、外壁と屋根の塗装メンテナンスを行っても、まだお釣りがくるかもしれません。
「中古を買う」というよりは、「良質な中古の箱を買って、中身を新品にする」という感覚に近いです。 構造体や基礎工事にかかる莫大なコストをカットし、その分を「毎日の暮らしの質」に直結する内装や設備に一点集中させる。太陽光パネルの設置や、将来の電気自動車(EV)を見越した充電設備の導入なども、この浮いた予算なら現実味を帯びてきます 。
見た目は新築同様、中身は自分たちのライフスタイルに合わせたオーダーメイド。しかも立地は妥協していない。これこそが、賢い予算配分による満足度の高い家づくりです。